UI制作のプロの効率化から、非デザイナーのアイデア可視化を叶える生成AIツール。
個人的に総合評価の高い生成AI-UIデザインツール3選についてコメントを掲載しつつ、簡単にその他利用してみた8つの生成AI-UIデザインツール8選の合計11選をご紹介いたします！

🎨生成AI-UIデザインツールとは

生成AI-UIデザインツールとは、人工知能（AI）、特に生成AI（Generative AI）の技術を活用して、ユーザーインターフェース（UI）のデザイン案を自動で作成したり、デザイン作業を効率化したりするツールです。

UIデザインとは

UI (User Interface) は、ユーザーがWebサイトやアプリケーションなどを利用する際に、目にする画面や操作する部分（ボタン、メニュー、レイアウトなど）全般を指します。

生成AI-UIデザインツールの主な機能

これらのツールは、主に以下のような機能でデザイナーや開発者をサポートします。

機能	具体的な内容
自動デザイン生成	テキストで指示（プロンプト）を入力するだけで、Webサイトやアプリの画面レイアウト、配色、要素などを自動で生成します。（例: 「家具ECサイトの検索画面」）
ワイヤーフレーム生成	アイデアや手書きのスケッチを基に、画面の骨組みであるワイヤーフレームを自動で作成します。
デザイン要素の生成・提案	特定のコンポーネント（ボタン、アイコン、イラストなど）のバリエーションを生成したり、配色やフォントの最適な組み合わせを提案したりします。
コード生成	生成したデザインを基に、HTMLやCSS、Reactなどのフロントエンドのコードを自動で出力します。
既存デザインの解析・変換	スクリーンショットや既存のデザインファイルを読み込み、それを編集可能なデザインデータやコードに変換します。

💡 ツールの種類と特徴

現在、多くの生成AI-UIデザインツールが登場しており、それぞれに得意な分野があります。

ツール名	主な特徴と強み
Relume AI	Webサイトマップ/ワイヤーフレーム自動生成に特化。プロンプトからサイト構成とワイヤーフレームを素早く作成し、Figmaファイルとしてエクスポートできます。デザインの初期段階の大幅な時間短縮に貢献します。
Stitch (Google)	Googleが開発中のUIデザイン・コード生成ツール。自然言語でデザインとHTML/CSSコードを生成し、Figmaへのエクスポート機能（コピペで連携可能）が強力です。
Visily	AI技術をフル活用したUIデザインソフトウェア。FigmaやAdobe XDのようにゼロからデザインを作成できるほか、非デザイナーでもテンプレートやAIでUIデザインを作成できる点が特徴です。
Readdy	テキスト指示でWebサイト全体のデザインとコード（HTML/CSS/JS/React）を自動生成。リアルタイムプレビュー、Figmaファイルエクスポート、チャット形式での修正・調整が可能です。
Lovable	プロンプトからWebアプリ（フロントエンドとバックエンド統合）を自動生成するノーコードツール。React（Vite＋Tailwind CSS）ベースのコードを生成し、GitHub連携やワンクリックデプロイが可能です。
v0 by Vercel	テキストプロンプトから再利用可能なUIコンポーネントとコードを生成。ReactコンポーネントやTailwind CSSベースのUIに特化しており、開発環境との連携に優れています。
Uizard	手書きスケッチやスクリーンショットからUIデザインを自動生成できるAIツール。ワイヤーフレーム、モックアップ、プロトタイプの作成が短時間で可能です。非デザイナーでも扱いやすい直感的なUIが特徴です。
Pixso	Figmaの機能に類似したコラボレーションUIデザインツール。AI機能だけでなく、無料プランでファイル数・共同編集者数が無制限である点が魅力。プロトタイプ作成やデザイントークン管理機能も備えます。
Same (same.new)	既存のウェブページのUIをピクセル単位でクローンし、HTML/CSSコードを自動生成する無料ツール。プロトタイプ作成や他のサイトのデザイン構造の学習に役立ちます。
UXbot	UI/UXデザインにおけるAIアシスタント機能を提供するツールの総称。具体的には、プロンプトからのワイヤーフレーム生成や、UXリサーチの自動分析などの機能が該当します。 (※特定ツールの名称ではなく、AIアシスタント機能の一般的な名称として参照されることがあります)
Framer AI	Webサイト全体の自動生成と公開に特化したAIツール。プロンプト入力だけでレスポンシブデザインに対応したWebサイトを生成し、ホスティングやCMS機能も内蔵しています。

✨ 導入のメリット

生成AI-UIデザインツールは、デザインのプロセスに大きなメリットをもたらします。

1. 時間とコストの削減: デザインの初期段階や、繰り返し行う作業（例えば、複数のレイアウト案の作成）をAIが自動で行うため、大幅な時間短縮とコスト削減が可能です。
2. アイデア出しの効率化: プロンプトを入力するだけで多様なデザイン案が瞬時に手に入るため、デザインに行き詰まった際のアイデアの叩き台として非常に有効です。
3. 非デザイナーの活用: デザイン経験が浅い人でも、AIのサポートを受けることで、高品質なUIデザインのたたき台を作成しやすくなります。
4. 開発へのスムーズな連携: デザインと同時にコードを生成する機能を持つツールもあり、デザイナーとエンジニア間の連携がスムーズになります。

👑 各ツールの評価

💡まとめ

今回、主要な生成AI-UIデザインツール群を一通り試用した結果、これらのツールが単なる補助機能ではなく、デザインと開発のワークフローそのものを根本的に変革する存在になりつつあることを実感しました。

1. 「デザインの初期衝動」の劇的な加速

最も大きな変化は、アイデアを具体的な形にするまでの「初速」が圧倒的に向上したことです。

• プロンプト一発で完成度の高い「叩き台」：Framer AIやReaddyは、指示を入力するだけでレスポンシブ対応のWebサイトやLP（ランディングページ）を瞬時に構築します。特にWebサイトの構成案・たたき台作成においては、Relume AIがサイトマップとワイヤーフレームを素早く生成し、初期検討の時間を大幅に短縮してくれました。
• 非デザイナーでも「デザイン」が可能に：Uizardの手書きスケッチからのデザイン生成や、Visilyの直感的な操作性は、デザインスキルがない人でも、サービスのコンセプトやUIの骨子を短時間で可視化できることを示しています。

2. デザインとコードの「融合」：断絶の解消

多くのツールがデザインとフロントエンドコードの境界線を曖昧にしている点も、重要なトレンドです。

• 開発への移行がシームレスに：Stitchやv0 by Vercelは、デザイン生成と同時にReact/Tailwind CSSなどのコードを出力します。これは、デザイナーが作成した「絵」をエンジニアが「実装」する際の工数や手戻りを大幅に削減する可能性を秘めています。
• アプリ開発の敷居が低下：Lovableのように、AIがフロントエンドだけでなくバックエンドのロジックまで生成し、即座にデプロイ可能な環境を提供するツールは、アイデアから動くプロトタイプまでの距離を劇的に縮めます。

3. AI時代のデザインスキルへの示唆

しかし、これらのツールはデザイナーを「代替」するものではありません。AIの出力を精査し、意図を持って活用するための新しいスキルセットが求められます。

• 「プロンプトエンジニアリング」の重要性：AIから理想的な結果を引き出すには、抽象的な指示ではなく、明確な要件、トーン＆マナー、ユーザーフローを言語化する能力、すなわち「言語によるデザイン設計力」が不可欠です。
• 「編集・調整力」への集中：AIが生成するのは「最適解の候補」であり、最終的なユーザー体験を洗練させるのは人間の仕事です。生成されたデザインの構造やコンポーネントを理解し、人間中心の視点で微調整する編集力に、デザイナーの価値がシフトしていることを強く感じました。

結論として、これらの生成AIツールは、デザインの「単純作業」を自動化し、人間に「創造性」と「戦略立案」という最も価値の高い領域に集中する機会を与えてくれます。今後は、Pixsoや既存のデザインツールとの連携、Sameのようなユニークなリバースエンジニアリング機能の活用も含め、AIを「思考の拡張装置」として組み込むことが、クリエイティブな仕事の標準となるでしょう。